歯科ブログ

お口の中の悪性のできものについて(3)

2008年06月09日

通常、アフター性口内炎の場合、口内炎の範囲が広く、痛みなどの症状がひどくても、指で触る感じは周囲との癒着がなく、硬く感じません。

また、口内炎になっている粘膜は赤く見えても、白く変色することはありません。

周囲の正常粘膜と比べても、極端な陥凹や隆起が見られません。

 

一方、口腔粘膜の悪性のできものの場合は、指で触ると硬く、白い変色がみられ、周囲の正常な粘膜より、陥凹、または隆起しているものが多いです。

しかし、これらの違いはあくまでも、教科書的な特徴に過ぎず、臨床的にはもっと複雑です。

 

勤務医時代に担当した今でも忘れられない、舌の潰瘍で大学病院に来院した患者さんのお話しをします。

そのできものの外見は、通常のアフター性口内炎に見えて、病変周囲に硬い所も殆どなっかたため、外来で口腔外科の他の先生達も、舌のアフター性口内炎と二週間も診断していました。

幸いに、二週目の終わり頃に私たちはできものの外形変化および治癒の遅いことに気付き、顕微鏡の検査を行いました。

悪性腫瘍であることが分かった後、すぐに手術(舌の部分切除、上頚部リンパ節郭清、術前、術後の放射線治療)を施行し、無事に治癒した一例でした。

前回お話ししたように、葉山歯科医院では、このような口内炎や類似病変で来院している患者さんに詳しく問診、診察、口腔内の写真記録を行い、ある程度までの治療をします。

治療の効果が想定より遅く、治りが良くない場合は顕微鏡検査も行いますが、悪性の疑いが否定できない患者さんには、顕微鏡検査をせずに直ぐに大学病院を紹介します。

悪性の場合は、顕微鏡検査のために、できものの一部を切除しなければならず、切ることによって悪性のできものが急激に広がてしまう可能性があるため、悪性の可能性がある場合は葉山歯科医院では顕微鏡検査を行いません。

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