歯科ブログ

お口の粘膜の粘液嚢胞(3)

2008年03月11日

ここまで、唇の粘膜や頬っぺたの粘膜に発生した粘液嚢胞のお話しをしてきましたが、あまり多くはないのですが、舌の裏側や舌の先に粘液嚢胞ができることもあります。

 

舌の裏側の粘膜にできる粘液嚢胞は、小唾液腺の管が詰詰まってしまっていることもありますが、舌下腺(耳下腺、顎下腺の次に大きい、三大唾液腺の一つ)が原因となっている場合が多いです。

この舌下腺によってできる粘液嚢胞は、次のような特徴を持っています。

 

(1)唇や頬っぺたの粘膜の粘液嚢胞と違い、大きく膨らんで、親指くらいの大きさ、あるいは、それ以上の大きさになる場合が多いです。そして、見た目がガマ蛙のお腹に似ているため、ガマ腫とも呼ばれています。

(2)唇や頬っぺたの粘膜の粘液嚢胞に比べて、非上皮性の嚢胞壁が非常に薄く、また、舌が動かすことによって、破れやすく、また再発もしやすいです。

(3)舌の下の中には、神経(舌神経、舌下神経)、動脈(舌動脈)、顎下腺、舌下腺の導管が 走っているため、外科摘出の際、これらの神経、血管、導管に損傷を与えないように、十分注意をしなければなりません。

通常、この舌下腺の導管または周囲の小唾液腺の導管の詰まりによって発生した粘液嚢胞(ガマ腫)の処置は外科手術よりも、侵襲の少ない開窓療法*が多く行っている。葉山歯科医院でも、比較的浅い、小さい嚢胞、しかも、外科侵襲が最小限に避けられると判断した場合のみ、外科手術を行いますが(口腔外科の紹介欄の症例写真を参考してください)、嚢胞が深いところに存在している症例、特に再発が繰り返している症例には、開窓療法を行います。また、原因が舌下腺本体にあって、開窓療法を行っても、治癒しない症例には、舌下腺摘出が必要となります。

舌下腺摘出が必要な症例には、手術侵襲が大きく、神経、血管に損傷を与える恐れもあるため、大学病院の口腔外科を紹介します。

*開窓療法:

口腔内の嚢胞(袋)の治療法の一つ。(1)嚢胞が大きく、または、(2)周囲との癒着が著明で、全部取り切れない場合、(3)摘出するとき、周囲の神経、血管に傷を付ける可能性がある場合には、嚢胞壁を周囲の粘膜組織と縫い合わせて、口腔内に大きく窓を作る方法であります。

 

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