歯科ブログ
消炎鎮痛剤と胃薬を一緒に服用する理由(1)
2007年11月19日
葉山歯科医院では、治療の前でも治療の後でも、消炎鎮痛剤を飲んで頂く際には、胃薬も一緒に飲んで頂いています。
消炎鎮痛剤は強い薬なので、消炎鎮痛剤だけで飲むと胃を悪くすることが多いからです。
現在一般的に使われている消炎鎮痛剤は、’’非ステロイド系消炎解熱鎮痛剤’’で、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)ではない消炎解熱鎮痛剤のことです。
今から40年程前、鎮痛剤はアスピリン製剤とその類似薬と麻薬類くらいしかなく、強い鎮痛効果を持つ麻薬類は習慣性や依存性があったため、外来で出される鎮痛剤は殆どアスピリン製剤でした。
しかし、アスピリン製剤やその類似薬は安全ではあったものの、鎮痛効果があまり強いとはいえませんでした。
また、消炎効果も副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)の方が、アスピリン製剤やその類似薬より圧倒的に強かったのですが、この副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)は、免疫機能低下を起こし、全身の器官に対する副作用が非常に多いため、手術後の入院患者には短期間に限り使われていましたが、外来の小手術後の消炎剤としては殆ど使えませんでした。
このように、アスピリンより鎮痛効果が強く、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)と同じような消炎効果があり、しかも麻薬類や副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)のような副作用がない消炎鎮痛剤の開発が必要でした。
そこで登場したのが、’’非ステロイド系消炎解熱鎮痛剤’’でした。
強い鎮痛効果、消炎効果のほかに、解熱効果もあり、また、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)ではないため、’’非ステロイド系消炎解熱鎮剤(NSAIDs)’’という長い名称を付けられました。
この非ステロイド系消炎解熱鎮痛剤の出現で、治療の後の痛みのコントロールが安全にできるようになりました。
現在、治療の前後の痛み止めとして使用されている薬は、ほとんどがこの非ステロイド系消炎解熱鎮痛剤です。
術前の投薬について(4)
2007年11月13日
これまで、感染予防のための術前の抗菌剤の投与の必要性とその投与方法についてお話ししてきました。
葉山歯科医院では、前回お話ししたように、治療の前に抗菌剤のほかに、鎮痛剤や胃薬も一緒に服用して頂く場合が多いです。
(1)鎮痛剤の術前投与について:
治療の前に消炎鎮痛剤を服用すると、手術中に痛みの閾値が上がり*、局所麻酔との相乗効果で治療中はもちろん、治療後も鎮痛効果が持続しているため、治療後に痛みが出てきてから初めて鎮痛剤を服用する場合に比べて、治療後の疼痛や不快感を効果的に抑えることができます。
*閾値:手術等の治療の侵襲で、体は痛みに対して敏感になります。つまり、何か刺激があった時に、普段であれば痛みとして感じないようなことでも、手術中だと痛いと感じてしまいます。この痛いと感じる瞬間の強さを、『痛みの閾値』といいます。普段は痛みの閾値が例えば10だとすれば、刺激の強さが10のところで初めて痛みを感じるのに対して、手術の侵襲や体調が悪くなっている場合は、刺激が10以下、例えば5のところで体が痛みを感じてしまう、すなわち、痛みの閾値が5になってしまいます。術前の鎮痛剤の服用によって、この痛みの閾値を上げることができるのです。
術前の投薬について(3)
2007年11月04日
葉山歯科医院では、治療前に投与にする抗菌剤は、内服の合成ペニシリンがほとんどです。
(1)お口の中に著明な感染症がなく、全身疾患を持っていない成人の患者さんの場合、治療の一時間前に軽い食事をとって頂いた後、合成ペニシリンであるバラシリン(500mg)と消炎鎮痛剤と胃薬を一緒に服用し、歯も丁寧に磨いて頂いた後、治療を行います。
なぜ治療の一時間前に、なぜ鎮痛消炎剤と胃薬を一緒に服用する必要があるのでしょうか?
治療の一時間前に服用すると、治療中に血液の中の抗菌剤(バラシリン)が有効な殺菌・制菌の濃度になり、血液の中に入り込んだ細菌の数を減らすことで、体の免疫機能が働きやすくなり、細菌の感染を防ぐことができます(免疫力が低下している場合や重篤な口腔内の感染症の場合、あるいは全身疾患、特に感染性心内膜炎にかかっている場合、感染を予防するために、さらなる抗菌剤の量が必要で、通常は、治療前、治療中に抗菌剤の大量投与をできる点滴を行います)。
また、消炎鎮痛剤の治療前の投与も同じためで、治療前に服用すると、治療中の痛みの軽減はもちろんのこと、治療後の消炎鎮痛にも効果を発揮します。
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