歯科ブログ
歯の外傷の治療(2)
2007年07月18日
歯の外傷のお話しを続けます。
(1)歯が抜けてはいないが、グラグラしている状態の治療:歯自体が折れてグラグラしていることはほとんどなく、大抵の場合、歯が抜けかけてグラグラしている状態のことの方が多いです。(歯はとても硬いので、歯自体が折れるよりも、歯と骨をつなぐ靭帯がちぎれてしまうことの方が多いからです)
このようにグラグラしている歯の治療は、まず歯を本来の位置まで戻した後、隣の歯とくっつけて、3~5週間の固定を行います。
固定してから数日後、落ち着いた時期に、歯の神経が生きているかどうかを調べ、もしもその歯の神経が生きていない場合は、その歯の神経を取ります。 但し、固定している間に、外傷による歯の内出血が見られた場合、歯の変色を防ぐため、早期に神経*を取る必要があります。
一般的に、歯根がまだできあがっていない若い人の歯については、神経の損傷に対して強いと言われています。 この歯根がまだできあがっていない歯は、神経の穴が大きいため、中の血管やリンパ管なども太く、衝撃を受けても簡単に血管やリンパ管の断裂が起こりません。また、乳歯も、歯根ができあがっていない歯と同様に神経の穴が大きいため、神経が損傷しにくいと言われています。
近年歯科用接着レジン(歯をくっつけるためのプラスチック製の接着剤)の性能がかなりよくなり、歯の固定にはほとんどこれらの材料を使っています。金属ワイヤなどを使用する必要がないため、審美的に優れており、違和感もあまりありません。
但し、歯槽骨の骨折など重篤な症例では固定力がより強い金属ワイヤーや固定装置の使用が必要な場合があります。
*歯の神経:歯の中に空洞があります。この空洞(歯髄腔、根管などと呼ばれています)の中に、血管、リンバ管、神経、結合組織から構成されている歯髄が入っています。つまり、普段”歯の神経”と呼ばれているものは、”歯髄”なのです。虫歯の進行や歯槽膿漏の波及などで、歯髄の近くまで組織の破壊が進行すると、痛みなどの症状が出ます。この場合、歯髄を取り、治療することが必要です。昔から、この歯髄を取り除く(抜髄)ことについて、”‘神経を抜く”という言葉が使われていますが、実際、治療の時に取るのは、神経だけではありません。
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